【Arlequin_NoGoD】今日も泪を顔に描き、道化て見せよう

NoGoD

憧れてやまないスーパーヒーローを描いたメタル

憧れの人って、居ましたか?尊敬出来る実在の偉大な人とか、そういうガチのやつではなくて。好きな芸能人、アーティストやアスリート、漫画やアニメの登場キャラクター、なんでもありです。

自分が何を好きだと思うか?って、如実にそのひとを表す気がするんです。必ずしも価値観が一致する必要はないけれど、やっぱり同じ物が好きだ!っていう人とは仲良くなれますもんね。

私が今まで憧れる人は、いつだってどこかお道化ているひとでした。

あぶない刑事は断然ユージ派だった。シティハンターが大好きだった。

人生で一番尊敬した、遥か昔にお世話になった憧れの上司も完璧な「道化師」でした。

偉い人も居るような会社の大きな飲み会の場でね。まともな人間にとっては誰もが苦痛でしかない、旧世代の会社のカラオケ大会ですよ。

最後の最後に若手や仲間達みんなに土下座をされて(もちろんネタでね?)、仕方ねぇなぁと言いながら「あの鐘を鳴らすのはあなた」を選曲する人だった。曲の大事な所で盛大に音を外しながらも全力で熱唱して、場を完璧に盛り上げて落とすような神だった。

もちろん、仕事っぷりも完璧だった。仕事は準備と気配りが肝要だ、が口癖。常に誰かを気にかけて、常に誰かを助けて。適度な愚痴こそこぼしつつ、自らの苦しみは決して表に出さなかった。

辛さや苦しさを押し殺し、いつだって誰かのために笑って見せる。最高のヒーロー。

そんな最強のヒーローを最強の音色に載せてお届けする、NoGoDのArlequin。

聴く度に奮える、自分的メタル最高傑作のひとつです。

今日も泪を顔に描き、道化てみせよう

10年の活動を経て、様々な面で活動の岐路に立ったNoGoDが発表したアルバムproofに収録されたこのArlequin。1曲目にインストのIn the cageで盛り上げ、2曲目のbreak out!でお前はまだまだ先へ進めるんだぜ!と煽りまくった直後にぶちかまされるこのArlequin。

もうね、歌詞の内容も楽曲の内容も、完璧な構成ですよ。

特に印象に残るフレーズが開幕で放たれるこの言葉。「今日も泪を顔に描き、道化てみせよう」。

まるでピエロのように、苦しみも悲しみもあるけれど、全部押し殺して道化てみせよう、君のために笑って見せよう、というもの。

けれどそれは、ただ我慢して笑っていよう、なんて生易しいものではない。例え届かなくても、この命果てても、私は笑っていよう。という、狂気にも似た覚悟、確固たる決意。

そして中盤の「笑え」「罵れ」という言葉。そこに付けられた、「今の内に」という言葉。ここに痺れるわけですよ。

笑いたければ好きに笑えよ。存分に罵れよ。こっちには事より大事なものがあるんだよ。

という、外野に一切流されず、自分の意思を貫く強さ。

どうぞどうぞ、好きに笑えよ、罵れよ。今の内にな…(最後に笑うのはこっちだけどな?)

という、自分の手で何かを掴もうとする強かさ(したたかさ)。

本当に仕事が出来て有能な人ほど、物腰は柔らかで腰は低かったりする。

いつも怒鳴り散らしてばかりいるような人ほど、実は余裕がなく実力も不足していたりする。

決して曲げない信念があるからこそ、研鑽を怠らない。そして圧倒的な実力があるからこそ、精神に余裕を持っている。精神に余裕があるからこそ、いたずらに他者と戦う必要性がない。誰よりも苦労しているからこそ、人にも優しく出来る。

正に漫画に出てくるヒーローそのもの。自分が憧れた人そのもの。こう在りたいものです。

最高の言葉を載せるのは、最強のメタルサウンド

そして楽曲。自分は音楽の良し悪しを判定なんて出来ないし、そこにあるのは優劣ではなくて、食べ物や料理と同じ、好みや自分に合うか否かだと思っています。

食べ物で言えば、味の濃さはこのくらいで…触感はこのくらいで…といった具合に、パラメータごとに自分の好み、理想が存在しますよね?全ては自分の好みとバランスの問題。

そして、自分にとってこの曲は本当に好みのど真ん中ストライクなのです。

ヘヴィネスさやハードさ、メロディの美味しさと表への出し方、曲の展開と構成、ギターソロの雰囲気等々。色んな要素が自分のストライクゾーンに完全にガッチしている、ということ。

まずはヘヴィなギターで刻むだけの出だし。

そこに加わるこれまた重いドラムのビート。

あくまでも刻み続ける音をベースに、特徴付けたギターが重なるオープニング。

はい、この時点で100点。

バックサウンドは重く刻み続ける中で歌メロが主導権を握る唄い出し。

そこにコードが加わる程度の展開。

サビも引き続きヴォーカルが牽引するけれど、バックは激重サウンドで下支え。

必殺ギターソロも挟みながら、段々と頭角を現してくるメタルサウンド。

クライマックスに近付くにつれ、始めはヴォーカルを支えていたバックが、最後にはゴリゴリのメタルサウンドとなってヴォーカルと一体となって襲い掛かる展開。

はい、もう10,000点。

この曲さえ聴けば、どんな時でも力をくれる。

今日も本当に大事な物はそっと胸にしまいこみ、自分ではない何かのためにエゴを捨てる。

笑いたい奴は笑っていればいいさ。まぁ…せいぜい、今の内は…な(ドヤア

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