2023_Zepp来日の前にして公開された「追いMV」
皆さん、追いがつおって、ご存知ですか?
鍋にね?水と出汁を取るための食材を入れるじゃないですか。
そいつを火にかけるわけです。そうすると、もちろん水に出汁が出てきますよね。
この時点で水は旨いわけです。出汁が出てますからね?それなのに、ですよ。
そこに更にかつお節をぶちまけて、旨味や薫りを倍率ドン!更に倍!するチート行為。
え?何を言いたいの?と不思議なお顔をされておりますね。Poisoned ArrowのMVも、つまりは追いがつおなんですよ、ということですよ。
時は2023年初頭。2月末~3月頭に向けて、あのArch Enemyが来日して各地のZeppを回る、しかもそれはワールドツアーの一環である、という神イベントがありました。必殺アルバムDeceiversを引っ提げて世界を回る彼らは、当然アルバムと各種MVを公開していたことで、こちらの期待度は既にMAX。
我々は来日の瞬間を、首を長くして待っているだけ、というそのタイミングに、
正に追いがつおの如く、更に新MVを公開してくれたのですよ。
おいおい、一枚のアルバムから一体どれだけのMVを創るんですか!?最高かよ!と全世界が歓喜の渦に飲み込まれた、そんなMVなのですよ。
メロディックデスメタルなのに「切ない」楽曲
Arch enemyはスウェーデン出身のメロデスバンド。ヴォーカルは女性でありながらゴリゴリのデスヴォイス。スーパーギターヒーロー_マイケル・アモットの放つエクストリームなサウンドとメロデス故のド迫力は世界最高峰と言って良いでしょう!
さぁ、ご紹介もそこそこに、聴きましょう聴きましょう。
はい、開始10秒くらいの時点で、いかがですか?なんと美しくも切なさを纏った音なんでしょう。
いいですかお客さん?メロデスなんですよ?これ。
はい、開始20秒くらいから流れるギターサウンド。透き通るクリーントーンの中で光るアモットのお色気たっぷりのフレーズ。メロデスでありなから、どこまでもエクストリームでありながら、演歌かよ?ってくらいの情感が載せられた彼のギタープレイは、ひとことで言えば、エモい。激エモ。ドエモ。爆エモ。
いいですかお客さん?メロデスなんですよ?これ。
と言ったところで歌がスタート。安心のデスヴォイスでお出迎えしてくれるわけですが、そのバックで流れるメロディはどこまでも情緒が溢れてこぼれてしまいそう。
黄昏れ、哀愁、一握りの悲壮感と、その奥に秘められた一筋の希望、決して消えない炎のような情念の塊が、一歩一歩着実に、我々に襲い掛かって来る。
そして迎えられるサビ。普通は演奏がバックで支え、歌声が前面に出て来るところ。この曲に至っては、もうギターが唄う唄う。様々な感情を乗せられたかのようなギターの音色がまるで歌声のように響き渡る中、デスヴォイスが全体の音像を下から支え、迫力を添えているかのようにも感じる。
伴奏と歌、なんていう概念を超えた先。全てがひとつの楽曲となって、強烈なメッセージを書き綴る。歌声も音のレイヤーのひとつであって、必ずしも主導権を握るとは限らない。歌声がお膳立てをして、そこをギターが駆け抜ける、そんなスタイルも良いじゃない!という一例ですね。
そうこうして、鉄板の鳴きのギターパートを超えた先に辿り着くラスト。繰り返されるサビのようでいて、ドラムのビートを変えることでクライマックス感を演出していく。最後まで計算し尽くされた技巧を見せ付けられたところで物語は閉じられていく。
問答無用、理屈不要。とにかくギターの音色の一つ一つが確実に琴線に触れるどころかへし折りに来る。こんな彼らの楽曲を、生で、ライブで、聴いちまったら…もう泣くよね?こんなアーティストがもうすぐ来日するんだぞ!というワクワク感でいっぱいでした。
もちろん、ライブに参戦してね。泣きましたよ?えぇ。
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