終わりと始まりの幕間で途方に暮れる
本日は…非常に苦しい朝を迎えてしまいました。ただでさえ寝苦しい夜に、苦しくて辛い夢を見て目が覚めるという最悪の滑り出し。
もう居なくなってしまった人。
夢の中では、まだその人が居るんだと思っていて。
顔も見られない、声も聴けないのに、「居るんだ」と思い込んでいて。
あれ?どうした?どういうことだ?
もう居ないんやないかい!夢やないかい!
という目覚め。
何一つ良いことの無い夢ですよ。夢の中では逢えて、夢なんだとガッカリする、ならばまだマシですよ。あの人はもう居ないんだ、という事実をただただ1~再認識させられるだけの夢。何回目だ、この夢。うんざりですわ。
このままでメンタルがもたない。音楽だ、音楽の力を借りなければ生きて行けない。ということで選曲したのがこのMUCCの「明星」。
何かが終わる日というのは、「終わった後の何か」が始まる日でもある。
納得も、心の整理も、出来やしないし、出来なくて良い。もう終わってしまったことと、これから始まって行くことの中間地点。今はただ、今日という人生の幕間に、ひたすら途方に暮れるしかない。
MUCCの明星は、それを許してくれる。そんな気がするんです。
爽やかなロックと情緒溢れる言葉の波状攻撃
私なりに、勝手ながらこの楽曲を聴かせて頂いて受け取ったニュアンスではあるのですが、
この曲は、一つの終わりとそこからの次の始まりを唄っていると思感じるのです。
MUCCの活動の中で、長い長い鉄板のメンバー編成があって、どうしてもその形を変えてしまうことになって。そうして一つの形が終わるけれど、形が変わった姿でまた「次」が始まって行く。
そんな最中に発表されたこの曲を聴き、超勝手ながらに、自分の状況とも重ねてしまうわけです。自分に取っては、もう不可避でどうしようもない「終わり」が訪れてしまったわけだけれども、そこから「次」を始めるしかない、ということに変わりはないんだよなぁ。
そんな想いを胸に、じっくりとこの曲に浸って行きます。
ムックの感動曲はいつだって、どこまでも爽やかなんですよね。本当にイントロから爽やかなサウンドで、そのままアニメのテーマソングにも出来るほどに、ヒロイックというか、週刊少年ジャンプ的な匂いまで漂わせて来ます。
こんな王道ヒーロー的なイントロの後に、心を揺さぶる展開が訪れるなんて、誰が予想するでしょう。いや、普段からムックを聴いていれば、実際は予想してしまいますけども。そんな心地よい、耳障りの良い音に浸って油断し切った我々に、心を優しくえぐりとる言葉がビシバシと叩きつけられて行くのです。
あくまでもカッコいいロックサウンドの中のあちらこちらに、爽やかさの裏に一滴加えられた悲しさと切なさの「音」。そこに載せられる情緒に溢れる言葉達。
正にこれぞムック!と言った感じでもう大好きな大好きな曲です。
歌詞については、本当に全編にわたって編み込まれているので、ここの歌詞が良いんだよ!と切り抜くのは難しいのだけれど。特に今、自分にとって響くのは、ここかなぁ。
君はきっと笑顔で 窓越しのボクも笑顔で
ごめん と ありがとう 沈む夕日
ごめん と ありがとう 沈む夕日
このフレーズだけで、どこまでも反芻してしまう。どこまでも噛み締めてしまう。言葉を見て、解釈して、自分の中で勝手なオリジナルの物語を生み出して行く、というムーブではあるのだけれど。歌って、言葉って、不思議なものですよねぇ。
君はきっと笑顔で 窓越しのボクも笑顔で
君は「きっと」笑顔で。この「きっと」のひと言が、どこまでも味わい深くしてくれますよね。
あくまでも「きっと」。確かめることは出来ない。答え合わせなんて出来ないんですよ。私の場合は文字通り、もう「君」に会うことも、話すことも出来ないのだから当然なのだけれど。よく考えれば誰だって「きっと」としか言えないのかも知れないですね。
幾ら言葉を重ねても、共に人生を過ごしても、自分以外のひとの心の中身は覗けませんから。きっと笑顔で居るはずだ、自分はそう思う。そう願う。少なくとも、窓を隔てたボクは笑顔で居る。それが精一杯ですよ。
ごめん と ありがとう 沈む夕日
このフレーズもまた素晴らしくて。
仲が良かったり、共に協力したり、お世話になったり。お世話をしたり。自分と誰かとの深いの関係性の中で、「ごめん」だけ、「ありがとう」だけ、という関係性はあり得ないですよね。
たくさん迷惑もかけてしまって。たくさん助けられて。感謝したいこと、謝りたいこと。文句を言いたいこと、喧嘩したいこと。色々あります。本当に色々あります。
語り尽くせないことが山のようにあるけれど。
間を隔てる「窓」が有るし、「君」が笑顔がどうかも見えないのだけれど。
時間は待ってくれず、夕日は沈んでいく。
そして時は流れ、すぐに日が昇って行く。
この情緒と無常感のバランスがたまりませんよ。このひとつのフレーズの中にはち切れそうな程の感情を詰め込んで。それを音楽が優しくほどいて行って、我々に届けてくれる。
MUCCは…良いなぁ!
コメント