「浜田麻里のライブ」のポテンシャルを現した傑作
ただいま2023年4月18日。そう、明日はついに新アルバムSoarの発売日です。待ちましたねぇ、楽しみですねぇ。
新譜が発売というビックイベントは、もちろん発売そのものだったり新しい音楽を聴くことが出来る楽しみもありますが、発売を楽しみに待つ時間もまた、良いものですよね。旧作、名作にあらためて耳を傾けながら、来たる決戦に向けて気分を高めて行くムーブ。
かつて自分も参戦した時のライブ映像なんかも見返したりしてね。どんどんと自分で盛り上げて行くわけです。「この新アルバムが発売する瞬間」というのは人生に一度きりですからね。あの手この手で最大限に楽しまないと損だと言うもの。
そんなこんなで35周年記念の武道館ライブ映像を見て楽しんでいたところ、公式でYouTubeにあがっているではないですか!それもあの「Mongata」が!
浜田麻里のライブにはそう数多く参戦出来ているわけではないのですが、個人的な当時の気持ち等も含めて最高レベルのライブパフォーマンスであったと記憶しておりますのがこのMangata。
MC。楽曲。歌。演奏。演出。全てが渾然一体となって襲い掛かる必殺の一撃。
さぁ、みんなで見ましょう!聴きましょう!そして新譜を楽しみに待ちましょう!
呆れるほどに圧倒的な超絶サウンド
どうですか、スタートの時点からヤバいでしょう?浜田麻里をご存知な方は頷いてもらえるでしょう。ご存知ない方も、うぉっ!と思っていただけたのではないでしょうか。
この楽曲、もう言わずもがな見ての通り聴いての通り、バラードですね。2018年に発売された前作アルバムGraciaのエンディング曲となっております。しっとり、優しく美しい旋律で、物語を締めくくって行くエンディングテーマ。
静かに優しく始まる歌い出し…なのに、声量の圧力が半端ないんです。
静かに、優しく、丁寧に歌いながら、まるで腹の底から叫んでいるかのようなこの素敵な矛盾。開幕から2分ほどでたっぷりと力強い歌声を堪能させてくれますが…まだまだこんなの序の口ですよ?さぁさぁ準備は良いですか?
1ターン目で歌声をしっかりと楽しんだ後、2ターン目ではバンドサウンドが合流してまた違う味わいが楽しめる。そして訪れる幕間。いよいよ頭角を現すバックメンバー達。ここからが本番ですよ。
まず、この楽曲はHR/HMです。
この楽曲はHR/HMです。
大事なことなので二回言いました。ついついメインの歌声に意識を持っていかれますが、超絶ギターをはじめとするバンドサウンドを耳にすれば、この事実を再認識出来るというものでしょう。
そして圧巻なのはコーラス。この歌声モンスターとも言うべき浜田麻里の歌声に唯一無二のコーラスを重ねてくるこのお方こそ浜田絵里!なんと妹さんであります。ご存知の方にはお馴染み、その実力を目の当たりにした者にとっては、「浜田麻里にコーラスをあてられる世界で唯一人の存在」であることは周知の事実。マジで互角に渡り合えるんじゃなかろうか。
そこへいよいよエンジンのかかったヴォーカルのシャウトが合流した日にはもう…これは見て、聴いていただければお解りでしょう。控えめに言って、神。ないしは…神。
そしてヴォーカルが一時退場し(お色直し)、バンドサウンドとコーラスが縦横無尽に暴れ回るアウトロこそが、ファンやHR/HM好きにとってはメインデッシュにもなり得るという、何とも不思議な構図も産まれます。
とにかく、歌も、音楽も、HR/HMとしても、ただただ圧倒的なのです。
刻まれた言葉と音楽にこめられたメッセージ
シンガーソングライターとして自らの音楽を1から創っている浜田麻里。当然、全てのアルバムに様々な想いが込められているのだけれども、とかくこのアルバムGraciaにはそのメッセージ性というか、多くの念が込められているように感じたものです。
アルバムの発表は2018年。感染症が猛威を振るうその少し前。大国の政治姿勢が尖ったことも有ったりして、世界的な「キナ臭さ」さが少々様相を変えて蔓延した時期だったように記憶しています。
世の中はいつだって「平和と言えば平和」だし「危機と言えば危機」という状況で。社会的な問題から身近な問題まで、大きいとか小さいとか、そういった概念は無いのかも知れません。誰にだって苦労も辛さも困難も存在していて、誰もがそれと戦っている。
ただひたすらに楽しくて、何の苦難も悩みもない人生、時代なんて、誰にだって存在しないんでしょうね。私にとっても、辛いこともたくさんある時期でした。この映像にある武道館ライブへの参戦も、幸せな経験でもあり、苦しい想い出でにもなりました。
このMangataの直前だったかどうか…までは確かな記憶ではないのですが、このライブの際にMCの中で「語り」がありました。
詳細までは一致しないでしょうが、大意としてはこんなメッセージでした。
今日、この場に居る皆さん。それぞれの人生があって、それぞれの喜びも、悲しみも、色々なことを背負っているんだと思います。今日は、せめてこのLiveの間だけは。一旦その荷物を肩から下ろして、今という瞬間を楽しんで行ってください。
確かに、ライブやイベントというのはそういう物ではありますよね。
ただ、Graciaという作品のあちこちから顔を出す様々なメッセージも相まって。
当時と、今振り返っている自分の想いも相まって。
直接言葉として発せられたこのメッセージが、とても強く印象に残っているのでした。
明日に発売される新アルバムSoar。その楽曲や音は素晴らしいものであるという確信があり、爆音に包まれることを楽しみにしているのだけれど。
2018~2023と、世界的にもとんでもない一時代となった時期を経て発せられるこの作品には、果たしてどんなメッセージが込められているんでしょうねぇ。
楽しみですねぇ。
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