現代社会がくれたありがたき出会い
ぼんやりと残った遠い記憶。あれはロッテリアだったか?昔々のファストフード店内に置かれたブラウン感、はたまた居酒屋にもあったような気がする。店内ミュージックや有線のような感覚で、淡々とアーティストのMVが流れて行くような光景があった気がする。うん十年昔の話だけれども。
あの原風景があったからか、テレビであんなチャンネルが見られれば良いのに、なんて思っていました。衛星放送やら何やら、実際にあるのかも知れませんがね。
しかし先日、YouTubeで出会うのです。いわゆるレコード会社的なニュークリアブラストが、延々と様々なMVをライブでYouTubeで流してくれるチャンネル?放送?
そうそう!こういうのでいいんだよ、こういうので。
退屈だった夜更けが一気に華やぎ、意気揚々と流れる楽曲を楽しんでいた先日に出会ったのがこちらの楽曲。『COMEBACK KID』の『Heavy steps』。
おや?と惹き付ける映像の始まりに目を奪われていると、炸裂する爆音にこちらのテンションは爆上がり。たまらずに個別のチャンネルへ駆けつけて何度も繰り返し堪能させていただきました。
インターネットの現代社会と数々の偶然が引き合わせてくれたこの出会い、大事にしたいですね。テレビから彼らの楽曲が流れることはまずないでしょう。今や絶滅寸前のCDショップでの遭遇も難しそうだ。そもそもが世界中の無数のアーティストが生み出す星の数ほどの楽曲達の中で、自分にぴったりな最高の曲に出会えたこの幸せに、乾杯しましょう。
激熱なサウンドと、ニヤリとしてしまうMVの展開
なにやらちびっ子とママさん達が集まる週末のパーティ感がただよう中に現れる、顔に袋を被せられた男達。その袋をばっと外されると、現れたのはしかめっ面で眩しそうにしている、いわゆるオジサンの姿。ちびっ子達の冷めた目線が集まる中で、そのおじさん達が始めたものは
バチクソ重くて激しいロックサウンド。控えめに言って、神。
ゴリゴリのベースとドラムによるオープニングの時点でこちらの心は激熱なのに、この開幕のギターサウンドは反則でしょう。ヘヴィミュージックが好きな者にとってはもう心躍らずにはいられない。
そして、袋を外されて眩しそうにしていた方はヴォーカルと判明。おぼろげな視線を見せていた様子から一転し、マイクを持っての歌い出しは激熱エモシャウトよ!あーもう無理。最高。このバンド、この楽曲、絶対に最高なやつじゃないか!と確信する瞬間です。
誰だって「おいおい!このイカれた奴らは一体何者だ!?」と二度見、三度見すること間違い無し。ヘヴィでクールでカッコ良い。言葉では簡単に並べられてしまうけれど、その純度が半端ない。余計な装飾は削り落とし、カッコ良い部分だけを高純度で構成したヘヴィネスさは、そう簡単に出せるものではないですよ。
それもそのはず、調べてみるとこの方々、COMEBACK KIDはカナダのハード・コア・パンクバンドとのこと。数多の音楽ジャンルを正しく理解はしていないけれど、これがハードコアパンクなのか!
既に20年の活動、確かな成功、この楽曲が収録されているアルバムにはゴジラのメンバーも参加しているらしく、つまりは私が無知で存じ上げなかっただけの、名プレイヤーなのでしょう。いやいや、ホントに嬉しい出会い。
重く、激しいヘヴィネスの上に載せられる、キャッチーさたっぷりのクールなメロディ。
どこかパーティロックを感じさせるような、メロディアスでノリの良い展開。ライブでは合唱不可避であろう印象に残るサビ。幕間ではしっかりとヘヴィネスさを魅せてくれる一方で、重さ振り過ぎることもない、この口当たりの良さも実に素晴らしい。
MVの中では、冷めた目をしていたちびっ子達が少しずつ、ヘヴィなサウンドに惹かれ、飲み込まれて行く様が描かれます。
そうでしょうそうでしょう、ヘヴィミュージックはたまらないでしょう?
普段こういう音楽を聴かない方でも、腹の底に何か、感じるものがあるでしょう?
ひとたびこの魅力に気付いてしまったら、もう逃れられない。
かくいう自分自身もまた、COMEBACK KIDの虜になっているわけですよ。
MVを見終わり、サウンドに骨抜きになったKIDS達を見て、自分自身がついさっきまでこの曲を知らなかったくせに、「そうだろうそうだろう、この曲良いだろう?」と謎の誇らしさを感じさせてしまうのでした。
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