【忘却の彼方_-真天地開闢集団-ジグザグ】聴こえますか?この声、届いてますか?

ジグザグ

百花繚乱の楽曲達から、しびれる歌声の傑作曲をお届け

新作Dripが発表されて、MVも公開されて、勝手にジグザク熱が再燃している今日この頃。毎回触れていますが、本当に楽曲毎の振れ幅が凄いですよね。

アルバムを聴けば、色々な楽曲がめくるめく波状攻撃で楽しませてくれるし。この振れ幅があるからこそ、どんなシーンにもマッチする楽曲が必ず在る、というイメージです。

楽しくなりたい時は楽しい曲が聴けるし、気合を入れてテンション上げたい時はそんな曲が聴ける。そよ風にひたりたい気分にぴったりな楽曲だってありますし、怒りや悲しみに暮れに暮れたい時にこそ寄り添ってくれる曲もバッチリ完備。

スマイル☆かわいいねん、は底抜けに楽しく明るかったし。

Dripは爽快でスタイリッシュだったし。

そしてこの忘却の彼方は、重くずっしりと、そして歌声で全てを持っていくスタイル。

声色も、歌声も、雰囲気も何もかもが変幻自在。「歌う」という行為の技術力が半端ないこの命様が繰り出す、歌物として傑作なこの「忘却の彼方」。

聴いてみな。飛ぶぞ?

超絶技巧の歌声と、バッチリ追従してくる骨太なバンドサウンド

ここ数日でスマイル☆かわいいねん、Drip、と雰囲気の異なる楽曲を聴いて参りましたが、御覧の通り、この曲はまたしても雰囲気がまるで違うんです。全然別の世界観。え?全部同じヴォーカル?同じバンド?と思ってしまうくらいの振れ幅。

時には優しく、時には激しく、ある時はスタイリッシュに、ある時はデスヴォイスで。

本当に命様の「歌唱の幅」はめちゃくちゃ広い。東京ドーム2~3個分くらいは在るでしょう。

とにかくこの忘却の彼方は「聴かせる」歌となっております。この曲のヴォーカルでは、少しがなるような、ワイルドな歌い方で攻めて来ます。漢らしい、雄々しい、というイメージの歌声。

とかく繊細で、高音域を中心とした「綺麗な歌声」が流行り?でもある昨今。女性だけではなく男性でも、歌が上手い≒綺麗な歌声、こんな高音まで出ちゃうスゴイひと、みたいなイメージが強い気がするんですよ。

けれど、ベース好きな私としては、低音の歌声の魅力も半端ないわけです。極端に解りやすい事例を挙げれば、舘ひろしとか、安田顕とか、リンデマンとか(解りやすいか?)、あーいう低音をを基調した歌声も大好きなわけで。

そんな「男性っぽさ」の魅力と近代バンドサウンドのスタイリッシュさを絶妙な塩梅でMixしたのが、この楽曲だと思うのです。高けりゃ良い、低けりゃ良い、ではなくて。絶妙なバランスでお届けしてくれるこの技巧。

そしてジグザクはバンドであることが欠かせない魅力のひとつ。楽曲のメインディッシュはその「圧倒的な歌唱力」でありつつも、ガッツリしっかり骨太バンドサウンドを引っ提げてくるから困るのです。

これだけ良い声のヴォーカルなら、とにかく歌声を聴かせるぜぇ?っていうMIXをしがち。ところがどっこい、歌声メインでダンディな歌声がびしびし攻めて来るところでも、ちゃんとギターもガシガシと攻めて来る。

ヴォーカルの音量「でかめ」バックサウンド「控えめ」、なんてぬるいMIXはして来ません。それによって歌声が聞こえにくくなる?なんてことはなく、その迫力は倍率どん!更に倍!

これだけ「歌」が凄いヴォーカルをバンドとして表現してくれるジグザク。超ありがてぇ。

あと、何度も言っておきますが、影丸のテクはガチ。テクというか、影丸はガチ。

例によって、込められたものは重い…

冒頭に述べました通り、Dripの発表を機にジグザク熱が再燃している中、この曲をチョイスしたことには極々個人的な理由があります。

先日ね、ひとの付き合いでふと公園に立ち寄る機会があったのですよ。ゴールデンウィーク真っ只中。運動公園的なこの公園には、野球やサッカーの試合が行われていたり、たくさんの家族連れがレジャーシートや小さなテントを展開して、子供たちが楽しそうに遊んでいる、超絶平和な世界。

ありがたいことに、幸せな方々を見て、素直に「良いなぁ、平和で幸せな空間だなぁ」とのんびり出来るだけの精神は残っていた私。とはいえ、やはり色々な物事を思い出してしまった。

子供、授からなかったなぁ。

家族、病の末に逝ってしまったなぁ。

自分には、あの幸せは、手に入らなかったなぁ。

闘病中、多くの時間を自宅で過ごすことが出来たのは幸いでした。ジグザクの楽曲を好んで聴いたあの人は、この曲もまた大好き、というか「忘却の彼方でジグザク沼に落ちた」までありました。

当人がこの歌詞に、メッセージに、強くリンクしていたのかは分からない。単純に曲や歌声が好きだったのかも知れない。けれど、治ることのない病と過ごす中で、繰り返し聴こえて来るこの言葉達を、さらっと聞き流すことなんて出来ませんでした。

強く、本当に強く脳裏に刻まれています。

忘却の彼方へ 消えて行け 消えていけ 空虚なそらよ

気付いてるならばこたえてくれ

華やかな世界の 片隅で 溺れて行く

僅かな命の 僅かな声が

聴こえていますか?

聴こえますか?

【ジグザグの記事はこちら】

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