【「ヘヴィメタルで」_THE冠】この一瞬だけでも、音楽で苦しみを忘れたい

THE冠

今この瞬間だけでも、苦しみから逃れたいあなたへ

雨ですね。梅雨入りの季節。ちょっと蒸すようで、それでいて肌寒いようで、なんとも難しい時候であります。2023年5月の末、皆様いかがお過ごしでしょうか。

4月は様々な生活環境が大きく変わる季節。そしてゴールデンウィークを節目に、良い想いも苦しい想いも反芻し、5月の末ともなれば、来たる夏へ向けての助走が始まる季節であります。

夏という大きな季節、イベントが来ることを前にして、良くも悪くも身構える。

4月~始まる「期」がいよいよ転がり出して行く時期。

ゴールデンウィークも終えてしまい、祝日もない6月を前にして、萎えに萎える時期。

そこに降り続きがちな雨、気候の面でも心をどんよりとさせて来る。

なーんか。なんか嫌な季節ですよね。完全な自分の偏見ですけど。

くっきりと残った心の傷跡もうずきつつ、この先の将来への漠然とした不安も顔を見せ、今更ながらに孤独感も増して行き。精神衛生上、よろしくない日々。気持ち良く眠れない日々。

このモヤモヤ、掻き消してくれないかなぁ、今だけでいいからさ。

そんな想いに答えてくれる、苦しい気持ちに寄り添ってくれる曲、ありますよ。THE冠の「ヘビーメタルで」。何の解決にもならなくて良いんです。せめて今だけでも、気を紛らわせて欲しい。そんな願いを叶えましょう。

重い歌詞、重いサウンド、今だけでもこの曲に浸りましょう

「HR/HMのバラードはガチ」という言葉を墓石に刻みたい。くらいに思っているわたくし。力強く、時に重く、激しく奏でるからこそ刺さるバラード、というのがあるのです。

この「ヘビーメタルで」で歌われる歌詞は、全編通して一貫しております。

とにかくしんどくて苦しいから。ヘビーメタルよ!今だけで良いからぶち壊してくれ!

謎のMV。THE冠のキャラクター。他の多くの曲の世界観から油断しがちですが、かなりガチな心の叫びが表現されております。

今すぐ消え去りたい、全てを捨て去りたい、そんなことは出来ない。

もう一度だけ逢いたい、願いは届かない、あなたはもう居ない。

ライトな表現、ありがちな表現と受け取ることも出来ますし、その人の境遇によっては、相当に重い「きっついリアル」な苦しみとして受け取ることも出来てしまいます。

こんなの、もう解決なんて出来ないんだから、今だけで良いから何とか気持ちを晴らしたい。解ります…解りますとも…!と勝手な感情移入が止まりません。いつかは蘇るから、という歌詞に一縷の望みを託しつつ。

そしてそんな歌詞を押し上げて行くのが、THE冠ならではの重厚なメタルサウンド。テンポはスローでありつつ、一撃一撃のサウンドが重い重い。

ゆったりとしたリズムの中で確実に打ち込まれてくキックの連打が小気味良く、要所で派手に炸裂するドラムフィルは実に爽快。

一方で、2番のAメロではどこか不安、不穏、どうにもどんよりとモヤモヤしたサウンドが差し込まれ、どうしようもない鬱屈とした雰囲気も演出されておりますね。

そこからクライマックスに向けたギターソロの中間部では、それこそ立ち込める暗雲に晴れ間が射すかのようなヒロイックな音像が展開されます。

「無駄に高い声を出してくれ」という歌詞に続いて、一気にキーを上げて畳み込むようにエンディングへと駆け抜けて行く様は気持ちが良いですね。

楽曲の中でも「今だけいいから」とあるように、音楽を聴いたところで何の解決にもならないわけですが…それでも生きて行くしかないわけですからね。

問題なんて解決しないでも、そのままロック聴いてりゃ良いじゃん。

甲本ヒロト氏の名言が頭に浮かびます。

このMV、誰が考えたんすか?

良い曲だよなぁ…うんうん。と思って何となく眺めていたMV。冷静に考えると…やばくないですか?

東京に土地勘なんてありませんが、看板等から見るに、新宿でしょうかね。THE東京、大都会ですよ。音楽の中、都会を颯爽と歩いて行くシーンが描かれるMV、というは珍しくはないですが…

鎧兜をまとったオッサンが新宿を歌いながら歩くだけのワンカットで構成された白黒MV。

攻めてますねぇ。こういう構成で行きましょう!と決まった経緯が知りたいですよ。ディスるような意図は全くなくて、逆にこの発想に至るのが純粋に凄いと言うか。帰郷のMVもそうでしたが、何だか妙に楽曲にぴったりはめて来るんですよねぇ。

【帰郷_THE冠の記事はこちら】

敢えての白黒、が雰囲気を良く演出していますよね。白黒なので何とも言えませんが、街灯の様子やひと通り・車通りの少なさからして、夜中とか早朝とかなのでしょうか?

ワンカットで録とり切っていますし、しっかり信号待ちもしたりして。冠の周りをカメラマンがくるくる回りながら撮影してるわけですよね?

下手にオチみたいな展開は用意せず、堂々と歩いて行く後ろ姿で〆る激渋な展開。

この道で撮影しましょう、とか。

ここから始めて、時間が〇秒で…ここで終わりになる、とか。

ひとの流れが切れた瞬間を狙ってスタート!とか。

何回も試行錯誤したりとか。

そういう経緯があるのか、はたまた一発撮りに近い感じでびし~っ!とキメてしまったのか…メイキング映像とか、見てみたいですね。

【The 冠の記事はこちら】

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